歯科衛生士として働いていて、
「辞めたい気もするけど、決めきれない」
「転職した方がいいのか、まだ頑張るべきか分からない」
そんなふうに迷い続けている時間が、一番しんどいと感じていませんか。
はっきり言うと、転職すること自体よりも、
迷ったまま何も決められない状態が続くことの方が、心もキャリアも消耗します。
この記事では、「辞める・辞めない」の正解を押し付けるのではなく、
自分で判断するための線引きや考え方をお伝えします。
なぜ歯科衛生士は転職でこんなに迷うのか

歯科衛生士が転職で迷いやすい理由は、意外と共通しています。
- 人間関係が悪いわけではない
- 仕事が嫌いというほどでもない
- でも、このままでいいのか分からない
その中で「教育が曖昧だった」「実践の機会が少なかった」
というケースでは、
周りの同期が成長している話を聞くほど、
「自分は何も身についていないのでは?」という不安が膨らみます。
一方で、
レベルの高い医院に転職した人はした人で、
「周りについていけない」「自分だけできていない」
という別の不安を抱えがちです。
つまり多くの人は、
環境が悪いから迷っているのではなく、
自分の現在地が分からなくて迷っている。
ここを整理しないまま考え続けると、
答えはいつまで経っても出ません。
この状態なら「転職を考えていい」と思う
先に結論を言います。
私は、次のような状態が重なっているなら、
転職を考え始めていいラインに来ていると思っています。
- 教育制度はあるが、実践の機会がほとんどない
- 頑張っても正社員・待遇改善の見込みが見えない
- ミスへの不安で眠れない、生活に支障が出ている
- 同僚や院長のパワハラ等が常態化している
- 「成長したい」より「この場から離れたい」が勝ち始めている
これは「甘え」ではありません。
判断材料がそろい始めている状態です。
逆に言うと、
このラインを超えても「まだ頑張れるかも」と自分に言い聞かせ続ける方が、
あとで後悔しやすい。
私が重視している判断基準(歯科衛生士ならでは)

人間関係は良い。でも技術が身につかない
人間関係が良好な職場は、正直かなり貴重です。
だからこそ、「ここを辞めるのはもったいない」と感じやすい。
ただ、
- アシスト中心でメンテに入れない
- 教育の順番がなかなか回ってこない
- 年数だけが過ぎていく
この状態が続いているなら、
「居心地がいい」だけで続けることのリスクも、現実的に考える必要があります。
歯科衛生士は、実践を積まないと技術も自信も身につきません。
今は人間関係が良くても、
将来、出産や育児、引っ越し、家庭の事情などで
自分の意思とは関係なく退職や転職を選ばざるを得なくなることは、
誰にでも起こり得ます。
そのときに
「経験が浅い」「できる業務が限られている」状態だと、
次の職場選びが一気に苦しくなる。
だからこれは、
今すぐ辞めるかどうかの話ではなく、
将来の自分を守るための視点です。
レベルは高い。でも自信と意欲が削られている
逆に、
「成長したくて転職したのに、ついていけない」
というケースもよくあります。
- 指摘が続き、常に不安
- クレームで自信を失った
- 家で復習しようとしても、気力が残っていない
ここで大事なのは、
成長痛なのか、限界のサインなのかを見極めること。
悔しさがあるうちは、まだ余地があります。
でも、不眠や体調不良が続いているなら、
それは根性論で乗り切る段階ではありません。

よくある不安への答え
若いうちに転職を繰り返すのは不利?
→ 年数より「何ができるか」を見られます。
何も身につかない環境に長くいる方が、後で苦しくなることも多いです。
次も同じだったらどうしよう?
→ だからこそ、感情ではなく判断基準で選ぶ必要があります。
歯科医院は多く、
人間関係も業務内容も、バランスの取れた職場は確実に存在します。
例外的に「今は辞めなくてもいい」ケース
ただし、次に当てはまるなら、
今すぐ辞めなくてもいい可能性が高いです。
- 人間関係が良好で質問しやすい
- 教えてもらえる環境はある
- 頑張れば待遇も改善される見込みがある
- できない自分が悔しくて焦っているだけ
この不安の正体は、
職場への違和感ではなく、自分の理想に追いついていない焦りです。
焦りと限界は似ていますが、別物です。
- 焦り:できるようになりたい気持ちがある
- 限界:逃げたい気持ちが勝っている
前者なら、少し立ち止まる価値はあります。
福利厚生や育休・復帰制度が現実的に機能しているとき
もうひとつ、
今すぐ辞めなくてもいい判断材料になるのが、
福利厚生や育休・復帰制度が「形だけでなく、実際に使われている」職場かどうかです。
たとえば、
- 育休・産休の取得実績がある
- 復帰後も時短・パートなど柔軟な働き方ができる
- 子育て中のスタッフが無理なく働いている
- ライフステージが変わっても続けやすい雰囲気がある
こうした環境が整っているなら、
多少「今は技術が足りない」「成長がゆっくり」と感じていても、
長い目で見て残る価値がある職場とも言えます。
特に歯科衛生士は、
出産・育児・家庭の事情で一度現場を離れる人も多い職業です。
そのときに
「戻れる場所がある」「復帰後のイメージができる」
という安心感は、何にも代えがたいメリット。
ただし、ここも線引きは必要
注意したいのは、
- 制度はあるけど誰も使っていない
- 復帰後は実質戦力外扱い
- 相談しづらい空気がある
この場合は、
福利厚生が理由で我慢しているだけになりやすい。
大事なのは、「辞めにくい制度があるか」ではなく、
「人生の変化を受け入れてくれる職場かどうか」。
迷ったままでもOK|私ならこう考えて動く

最後に、もし今の自分だったら。
私は、こんな考え方で動きます。
- すぐには辞めない
迷っている時点で、まだ判断材料が足りないことが多い。 - でも「このまま続ける前提」にもしない
何となく続けるのは、一番しんどくなりやすい。 - 期限を決めて、判断材料を増やす
他院の話を聞く、教育体制や育休・復帰の実績を知るなど、
「比べる軸」を持つ。 - 体調やメンタルに不調が出ているなら、早めに離れる
ここは頑張りどころではない。
ただ、
「もう正直、今の職場は限界かもしれない」
「気持ちはほぼ決まっている」
という人もいるはずです。
その場合は、いきなり決断する必要はありませんが、
次の選択肢を知っておくことは無駄になりません。
たとえば、
- 他の歯科医院ではどんな働き方ができるのか
- 教育体制や人間関係はどう違うのか
- 転職するとき、何を基準に選べば後悔しにくいのか
そういった情報は、
〔▶︎歯科衛生士むいてない?やめた方がいい人と後悔する人の差〕
などの記事で整理しています。
「辞める」と決めるためではなく、
自分の判断に納得するための情報収集として、
必要なところだけ拾ってみてください。
