開業を考えていると、
「あと100万円くらいいるか」という場面があります。
私自身、開業するときに資金が足りず、どう準備するか悩んだ経験があります。
親に頼るのは嫌。融資を受けるために事業計画を作ったり、
手続きを進めたりするのも正直面倒に感じていました。
そこで私は、スピードや手軽さを優先して、借入で足りない資金を補いました。
ただ、今振り返ると、
「融資やクラウドファンディングなど、ほかの方法ももう少し調べてから決めればよかった」
と後悔しています。
開業資金の準備方法は一つではありません。
この記事では、
- 融資
- ローン
- クラウドファンディング
の3つを中心に、開業資金100万円を準備する方法を比較します。
個人事業での開業を考えている人も含めて、
「自分ならどの方法が現実的か?」
を考える材料として参考にしてください。
※借入商品によって資金の使い道は異なります。一般的な個人向けカードローンでは、事業性資金への利用を認めていない商品もあるため、開業資金として利用する場合は必ず資金使途を確認してください。
※本記事は特定の金融商品の利用を推奨するものではありません。
借入条件・資金使途は各金融機関の最新情報をご確認ください
開業資金100万円をどう準備する?3つの方法を比較
まずは、それぞれの違いをざっくり整理してみましょう。
融資・ローン・クラウドファンディングの違い
| 比較項目 | 創業融資など | 事業向けローン | クラウドファンディング |
|---|---|---|---|
| 返済 | 必要 | 必要 | 購入型なら借入のような返済は基本なし |
| 準備期間 | ある程度必要 | 比較的早い商品もある | 募集準備・募集期間が必要 |
| 主な負担 | 利息 | 利息 | 手数料・リターン費用など |
| 審査・確認 | あり | あり | 掲載審査など |
| 特徴 | 創業資金として利用しやすい | スピードを重視しやすい | PRや顧客づくりもできる |
こうして見ると、
「どれが一番いいの?」と思いますよね。
でも、開業資金は単純に金利だけでは決めにくいです。
たとえば、
- 開業までまだ数か月ある
- 来月までに資金が必要
- 毎月返済できる余裕がある
- 応援してくれそうな人がいる
など、状況によって候補は変わります。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する
中小企業支援サイト「J-Net21」でも、創業時の資金調達方法として、
自己資金・金融機関からの借入・出資・クラウドファンディングなど
複数の方法が紹介されています。
つまり、
「100万円をどう集めるか」ではなく、「自分の開業に合う方法はどれか」
で考えるのがポイントです。
私自身がもっと比較しておけばよかったと感じたからこそ、
ここから融資・事業向けローン・クラウドファンディングの3つの方法を順番に見ていきます。
融資で開業資金を準備する
開業まである程度時間があるなら、まず確認しておきたいのが創業融資です。
個人事業でも日本政策金融公庫の創業融資を利用できる
日本政策金融公庫では、小規模事業者や個人事業主向けに事業資金の融資を行っています。
創業者向けの代表的な制度が、
「新規開業・スタートアップ支援資金」です。
新たに事業を始める人や、事業開始後おおむね7年以内の人が対象となり、
設備資金や運転資金に利用でき、日本政策金融公庫の国民生活事業では、
個人事業主向けの申込案内や創業計画書も用意されています。
また、創業期の一定の人については、
原則として無担保・無保証人で利用できる仕組みも案内されています。
「会社を作る人向けでは?」
と思うかもしれませんが、個人事業で開業する人も対象です。
事業計画を作る手間はあるが、必要額を見直す機会にもなる
融資では、
- どんな事業を始めるのか
- 何に100万円使うのか
- どのくらい売上を見込むのか
- どう返済するのか
といった計画を整理する必要があります。
正直、やる前から面倒くさそうという心理が勝ってしまいますよね。
私も当時はここがハードルでした。
でも、事業計画を作る=融資を受けるためだけの作業
ではありません。
たとえば、
「100万円必要だと思っていたけど、実際は120万円必要だった」
「設備を少し減らせば80万円でも開業できそう」
といったことが見えてきます。
借入額を決める前に一度数字を整理することは、
開業後の資金不足を防ぐ意味でも重要です。
ローンで開業資金を準備する
融資よりスピードを重視したい場合には、
事業向けローンやビジネスローンが候補になることがあります。
事業向けローンはスピードを重視したい場合の選択肢
事業向けローンには、
- オンラインで申し込める
- 担保・保証人が不要な商品がある
- 比較的短期間で審査される商品もある
といった特徴があります。
そのため、
「開業準備が進んでいて、あと少し資金が必要」
といった場面で検討されることがあります。
ただし、
早く借りられる=一番良い方法
ではありません。
金利や返済期間によっては、創業融資より負担が大きくなることがあります。
個人向けカードローンとの違いには注意
ここは特に注意したいポイントです。
一般的な個人向けカードローンは、
「使い道自由」と書かれている場合でも、
事業性資金は除くとしている商品があります。
たとえば三井住友銀行の個人向けカードローンも、
資金使途について「事業性資金を除き自由」と明記しています。
つまり、
生活費に使えるカードローン=開業資金にも使える
とは限りません。
開業資金として借入を利用する場合は、
「事業資金として利用できる商品か」
を必ず確認してください。
借りられる100万円より「返せる100万円」で考える
借入を検討すると、
「100万円借りられるか?」に目が向きがちです。
でも本当に大切なのは、
毎月無理なく返せるかです。
開業直後は、売上が予定どおりにならないこともあります。
金融庁も、個人事業主の借入について、返済能力を慎重に検討し、
無理のない利用をするよう注意を促しています。
「いくら借りられるか」ではなく、
売上が少ない月でも返済できる額か
まで考えておきましょう。
返済額をイメージしたい場合は、
日本貸金業協会の返済シミュレーションも利用できます。
クラウドファンディングで開業資金を集める
「できるだけ借入を増やしたくない」
という人が気になるのが、クラウドファンディングです。
購入型なら借入のような元金返済は基本的にない
クラウドファンディングには、
- 購入型
- 寄付型
- 金融型
などがあります。
開業時によく使われる購入型では、
支援者から資金を集める代わりに、
- 商品
- サービス
- 利用券
- 限定特典
などをリターンとして提供します。
100万円集まっても100万円すべてが残るわけではない
ここは注意が必要です。
仮に100万円の支援が集まっても、
100万円すべてをそのまま開業資金に使えるとは限りません。
たとえば、
- プラットフォーム手数料
- リターンの原価
- 梱包・送料
- 写真や動画の制作費
- 広告費
などがかかります。
そのため、
手元に100万円残したいなら、100万円以上集める必要があるケースもあります。
また、クラウドファンディングは掲載すれば必ず支援が集まる仕組みでもありません。
資金調達と同時にPRできるのが強み
一方で、クラウドファンディングには大きなメリットもあります。
それが、開業前から商品やサービスを知ってもらえること。
たとえば、
「地元で新しいお店を始めたい」
「子育て世代向けのサービスを始めたい」
「新しい商品を販売したい」
といった事業なら、
支援者が最初のお客さんになってくれる可能性があります。
ただ、
「自分は無名だし、SNSのフォロワーも少ない……」
と思いますよね。
このあたりは別記事の、
で詳しく解説します。
100万円を集める前に「本当に100万円必要か」を見直そう
融資・ローン・クラファンを比較する前に、
もう一つ考えておきたいことがあります。
それが、
100万円の内訳です。
開業費用には運転資金も入れて考える
開業というと、
- 加盟金
- 設備
- 備品
- 保証金
- 研修費
など、「始めるまでのお金」に目が行きがちです。
でも、開業したあともお金はかかります。
たとえば、
- 家賃
- 仕入れ
- 広告費
- 光熱費
- 人件費
- 生活費
など。
だから、
「開業できる金額」ではなく、「開業後も続けられる金額」
で考えることが大切です。
特にフランチャイズでは、
「加盟金50万円だから50万円あれば始められる」
とは限りません。
加盟金や研修費を払ったあとに、
売上が安定するまでの運転資金も必要です。
目標額すべてを一つの方法で用意しなくてもいい
たとえば、100万円を目標にした場合
自己資金50万円+融資50万円
でも100万円です。ほかにも、
自己資金+融資+クラウドファンディング
という方法もあります。
「100万円足りないから100万円借りる」
とすぐに決める必要はありません。
まだ事業を決めていないなら、必要資金そのものを下げる方法もある
まだ、「何の事業を始めるか」まで完全に決めていないなら、
必要な開業資金を下げるという考え方もあります。
たとえば、
- 店舗を持たない
- 設備を最小限にする
- 小さく始める
- 低資金で始められるフランチャイズを探す
といった方法です。
100万円をどう用意するか考える前に、
100万円必要としない開業方法はないか
を比較してみるのも一つです。
まとめ|100万円を集めることより、開業後まで考えて準備しよう
開業資金100万円を準備する方法には、
- 創業融資
- 事業向けローン
- クラウドファンディング
などがあり組み合わせる方法も考えられます。
開業まで時間があるなら、日本政策金融公庫などの創業融資を調べる。
短期間で事業資金が必要なら、資金使途を確認したうえで事業向けローンを比較する。
商品やサービスに共感を集められるなら、クラウドファンディングを検討する。
それぞれ特徴が違います。
大切なのは、
「どうやって100万円を集めるか」だけで終わらないこと。
返済額や開業後の運転資金まで考えたうえで、無理なく事業を続けられる方法を選びましょう。
