近所の飲食店や個人商店で、
「支払いは現金かPayPayで」というお店を見かけることはありますよね。
なかには、今でも現金払いだけで営業しているお店もあります。
商品やサービスに自信があり、お客様も不便を感じていないなら、
無理にキャッシュレス決済の種類を増やす必要はないのかなと悩むところです。
とはいえ、顧客の層を広げたり、満足度を上げるには、
PayPay以外にも楽天ペイやau PAY、クレジットカードなど、
導入すべきか、経営者として素質が試されます。
結論からいうと、PayPayだけで十分なお店もあれば、
ほかの決済方法を導入したほうがよいお店もあります。
大切なのは、決済方法の数ではなく、
お客様の利便性とお店の負担のバランスです。
この記事では、PayPayだけで営業するメリット・デメリットや、
決済方法を増やす際の手数料・管理の手間について、個人事業主の経営目線で解説します。
個人事業主のキャッシュレス決済はPayPayだけで十分?
PayPayは、個人事業主や小規模店舗にとって導入しやすいキャッシュレス決済のひとつです。
2026年8月には登録ユーザー数が7,500万人を突破しており、幅広い世代に利用されています。
また、お店にQRコードを設置する方式なら、高額な決済端末を購入せずに始められます。
そのため、「まずはPayPayだけ」という選択も十分合理的です。
PayPayだけで十分なお店もある
例えば、次のようなお店なら、急いで決済方法を増やす必要はないかもしれません。
- お客様の多くが現金かPayPayで支払っている
- 少額の買い物が中心
- 固定客が多く、支払い方法について不満が出ていない
- 決済手数料や管理の負担をできるだけ抑えたい
特に、開業したばかりで売上が安定していない個人事業主にとって、
余計な費用をかけないことも大切な経営判断です。
キャッシュレス決済を増やせば、必ず売上が上がるわけではありません。
現在のお客様が不便なく利用できているなら、PayPayだけで様子を見るのもひとつの方法です。
ただし、PayPayユーザーだけがお客様ではない
一方、PayPayの登録ユーザーが多いからといって、
すべてのお客様がPayPayで支払いたいわけではありません。
普段からクレジットカードを利用している人や、楽天ペイ・au PAYなどを好む人もいます。
また、PayPayを使っている人でも、高額な買い物ではクレジットカードを選ぶことがあるでしょう。
大切なのは、世の中でどの決済サービスが人気かということだけでなく、
自分のお店のお客様が何を使いたいかという視点です。
PayPayだけで営業するデメリットは?
PayPayだけでも営業はできますが、支払い方法を限定することで生じるデメリットもあります。
特に知っておきたいのは、次の2つです。
① クレジットカード派のお客様に対応できない
PayPayだけの場合、クレジットカードやほかのQRコード決済で支払いたいお客様には対応できません。
例えば、美容サロンや整体、飲食店などで、会計時に「カードは使えますか?」と聞かれることもあるでしょう。
現金を持ち合わせていれば問題ありませんが、支払い方法が限られることを不便に感じる人もいます。
特に、施術料金や購入金額が高い場合は、クレジットカードを希望するお客様も考えられます。
商品やサービスの魅力とは別に、支払いのしやすさもお店選びの判断材料になることは意識しておきたいですね。
② 新規客だけでなく、リピーターを逃す可能性もある
決済方法の少なさは、新規のお客様だけでなく、既存のお客様にも影響する可能性があります。
例えば、施術やサービスには満足していても、毎回現金を用意することを面倒に感じる人がいるかもしれません。
また、普段使っているクレジットカードで支払えないことが、次回来店をためらう理由になるケースも考えられます。
もちろん、決済方法だけでお客様が離れるとは限りません。
ただ、せっかく商品やサービスを気に入ってもらえたなら、支払いの不便さはできるだけ減らしておきたいところです。
PayPay以外を増やすなら手数料と管理の手間も比較しよう
「それなら楽天ペイやau PAYも導入しようかな」
そう考える人もいるでしょう。
ただし、決済方法を増やすときは、対応ブランドの数だけでなく、手数料や管理方法にも注目することが大切です。
決済手数料は直接契約と一括導入で違う
PayPayを直接契約する場合と、複数の決済方法を扱うサービスを通して利用する場合では、手数料が異なることがあります。
例えば、PayPayを直接契約した場合と、Airペイ経由でPayPayを利用した場合を比べてみましょう。
| 決済方法 | 決済手数料 |
|---|---|
| PayPay直接契約(通常) | 1.98%(税抜) |
| PayPay直接契約(有料プラン) | 1.60%(税抜) |
| Airペイ経由のPayPay | 2.95%(税抜) |
※2026年10月時点。PayPayの1.60%は月額1,980円(税抜)などの適用条件があります。
例えば、月10万円の売上をすべてPayPayで決済した場合、通常の直接契約とAirペイ経由では、決済手数料に税抜970円の差が生じます。
つまり、PayPayの決済手数料だけを比較するなら、直接契約のほうが安いということです。
ただし、これは同じPayPay決済額に対する手数料比較です。
Airペイなどの一括導入サービスには、クレジットカードやほかのQRコード決済にも対応できるメリットがあります。
手数料だけで判断せず、何のために決済方法を増やすのかを考えましょう。
決済サービスを個別に増やすと管理が複雑になることも
決済方法を増やす際に、もうひとつ考えておきたいのが管理の手間です。
例えば、PayPayとは別に複数の決済サービスを個別契約すると、
サービスごとに次のような作業が必要になる場合があります。
- 申込みや加盟店審査
- 売上・入金明細の確認
- 決済手数料の把握
- 返金や問い合わせへの対応
もちろん、決済サービスによっては、複数の支払い方法をまとめて導入できる仕組みもあります。
そのため、必ずしも楽天ペイやau PAYをそれぞれ個別契約する必要はありません。
大切なのは、決済方法を増やすときに、管理の負担まで増やしすぎないことです。
手数料が少し高くても、導入する価値はある?
ここは経営者として考えておきたいポイントです。
例えば、決済方法を増やすことで月1,000円ほど手数料負担が増えたとします。
それでも、これまで対応できなかった支払い方法を希望するお客様が来店し、追加の利益が1,000円を上回るなら、導入する意味はあります。
反対に、お客様のほとんどがPayPayを利用していて、ほかの決済方法を希望する人がほとんどいないなら、無理に増やす必要はないでしょう。
決済手数料の安さだけでなく、売上機会と管理の手間まで含めて判断することが大切です。
複数のキャッシュレス決済をまとめて導入するならAirペイ
PayPay以外にも、クレジットカードや楽天ペイ、au PAYなどにまとめて対応したいなら、
Airペイが比較候補になります。
Airペイは、リクルートが提供するキャッシュレス決済サービスで
約90種類のキャッシュレス決済に対応しています。
さまざまな決済方法をまとめて導入できるため、支払い方法を増やしたい個人事業主に向いています。
Airペイの主な特徴
- 最大92種の決済ブランド・サービスに対応
- クレジットカード・電子マネー・QRコード決済を幅広くカバー
- 月額固定費0円
- 対象のカードリーダーを無償貸与
- 振込手数料0円(利用可能な金融機関に限る)
- 入金サイクルは月3回または6回
※対応する決済方法は申込区分などによって異なります。92種には海外QR決済やポイントサービスなども含まれます。
例えば、PayPayだけでなく、クレジットカードや楽天ペイ、au PAYなどにも対応できれば、お客様が支払い方法を選びやすくなります。
また、決済サービスを個別に増やす場合と比べ、売上管理をまとめやすくなる点も魅力です。
ただし、Airペイ経由のPayPay決済は、PayPayを直接契約するより手数料が高くなります。
そのため、単にPayPayの手数料を下げたい人には向いていません。
Airペイは「手数料を最小限に抑えたい人」よりも、「お客様が選べる支払い方法を増やしたい人」に向いているサービスです。
複数のキャッシュレス決済を導入したい人は、公式サイトで対応ブランドや料金を確認してみましょう。
まとめ|PayPayだけで十分かはお客様とコストで判断しよう
個人事業主のキャッシュレス決済は、必ずしも多くの種類を導入すればよいわけではありません。
お客様の多くがPayPayや現金を利用しているなら、PayPayだけでも十分な場合があります。
一方、クレジットカードやほかのQRコード決済を希望するお客様が多いなら、支払い方法を増やす価値はあるでしょう。
判断するときは、次の3つを意識してみてください。
- お客様が希望する支払い方法
- 決済手数料や月額費用
- 売上管理や入金確認の手間
決済手数料を安く抑えることも大切ですが、お客様が利用しやすい環境を整えることも、長く商売を続けるうえで大切な視点です。
PayPayだけで十分か、それとも別の決済方法も必要か。
自分のお店の客層や売上に合わせて、無理のない方法を選びましょう。

