私は、メディカルアロマも教えているスクールで、整体の講師をしていた経験があります。
生徒さんには看護師さんも多く、実際にたくさんの体験談を見聞きしてきました。
たしかにアロマセラピーは、生活に取り入れることで自分自身の癒しにもなります。
また、薬を中心とした西洋医学に疑問を持っていたり、
「心と体のつながり」に興味がある看護師さんにとっては、とても魅力的に映る世界だと思います。
この記事では、
- これからアロマセラピストを目指したい
- 将来的には独立もいいかもしれない
そう考えている看護師さんに向けて、かなり現実的な話をします。
【看護師がメディカルアロマにがっかりする現実】
日本ではアロマ業界そのものがまだ弱い
アロマは、日本ではヨーロッパなど海外と比べると、まだまだ発展途上です。
ヨーロッパでは、医師が精油を処方する文化もありますが、
日本とは医療制度も文化も大きく違います。
実際、日本でアロマが広く普及しているのは、
医療現場よりも「リラクゼーション業界」です。
リラクゼーション業界は収入が不安定
サロンで働き始めても、ほとんどが業務委託。
しかし実際には、
- 「毎週◯曜日は固定で入って」
- 「この時間帯は必須」
など、かなり縛りがあるケースも多いです。
本来の業務委託なら、
「この日だけ2時間入りたい」
という働き方もできるはずですが、現実は自由度が低いことも少なくありません。
しかも、収入はかなり不安定です。
【看護師が直面したアロマの限界(体験談)】
ケース1:職場にアロマを導入したかったAさん
Aさんの職場は、東洋医学や統合医療にも理解がある院長でした。
そのため、アロマセラピー導入の話にも賛成してもらえたそうです。
しかし実際にできたのは、待合室で精油を焚く程度。
「医療現場で本格的に活かす」という理想とのギャップに、かなり落ち込んでいました。
ケース2:副業で経験を積もうとしたBさん
Bさんは、休日にリラクゼーションサロンで働きながら経験を積もうとしていました。
看護師資格を持っていることは、お店側からも歓迎されたそうです。
ただ、他のスタッフは完全歩合制。
Bさんだけ時給制だったため、
「保証がある人には施術をあまり回したくない」
という空気になってしまい、なかなか施術に入れませんでした。
結果として、経験も積めず、理想とのズレを感じるようになっていきました。
ケース3:「私が業界を変える」と頑張ったCさん
Cさんは、
「私が日本のアロマ業界を変えるんだ」
という強い思いで、イベント出店やボランティア活動を頑張っていました。
平日はパート勤務。
週末はイベントに参加して、お客さんを増やし、自宅サロンへつなげようとしていました。
しかし現実は厳しく、
- ハンドマッサージ500円体験
- 格安イベント出店
をしても、そこからリピーターにつながることはほとんどありません。
貴重な土日を使って、売上3,000円。
「看護師でフルタイムしていたら、休日手当も出ていたのに…」
そう感じてしまう日々だったそうです。
最終的には、
「アロマは好きなまま、看護師として働いて、受ける側で楽しむほうがいいかもしれない」
となり、挫折してしまいました。
【アロマで独立するときの壁】
経験の壁
やはり施術数(経験値)は、めちゃくちゃ大事です。
看護師は解剖学の知識があります。
ただ、たとえば柔道整復師など、もともと日常的に人の体に触れてきた人たちとは、
「触診経験」で大きな差があります。
これは正直かなり大きいです。
しかも、経験値は簡単には積めません。
仮に1日3組、週5日働いたとしても、年間で施術できる人数は、
52×15=780 約780人です。
私自身、セラピスト歴10年・3万人以上施術してきましたが、
- 1,000人ごとに少しずつ手の感覚が変わる
- 1万人を超えて、やっと「その人に合った施術」が見えてくる
そんな感覚があります。
だからこそ、年間1,000人にも満たない施術数では、かなり厳しい世界です。
差別化が難しい
独立しても、他者との差別化ができなければ選ばれません。
例えば、
- 完全予約制
- 女性限定
- プライベートサロン
こういった言葉は、正直かなり多いです。
もっと言うと、
「1日3組限定」
などを打ち出しているサロンもありますが、実際には“限定感”というより、
単純に自分のライフスタイルを守りたいだけに見えてしまうこともあります。
【収入の壁】
実際に独立して、正社員の看護師並みの収入を安定して稼ぎ続けるのは、かなり大変です。
たとえば、
- 月に20万円を手元に残したい
- 経費込みで売上30万円必要
とすると、
90分8,000円のコースなら、
300,000÷8,000=38
約40人の施術が必要になります。
さらに、
- リピーター50%
- リピート率20%
と仮定すると、
固定客20人前後を作るために、
約100人ほど施術しないといけません。
しかも、この数字はかなり甘めです。
前提として、
- 毎週フル稼働できる
- 集客が途切れない
- 単価8,000円を維持できる
という理想条件で計算しています。
現実はここからさらに厳しくなることが多いです。
👉「この数字は“理想条件”。実際はもっと時間がかかる人がほとんど」
さらに、自宅サロンで家賃を抑えたとしても、
- SNS発信
- ホットペッパービューティーなど広告媒体
を使う必要が出てくるため、実際にはもっと売上が必要になります。
【こんな人なら踏み込んでも良い】
以下のような人なら、挑戦する価値はあると思います。
- ターミナルケアや産後ケアなど、すでにアロマを取り入れている現場で働く
- 独身で自由に時間を使える
- 2年ほど収入が不安定でも耐えられる
- 配偶者の収入で生活できる
- 土日仕事でも家庭への影響が少ない
また、
- パートなどで月10万円程度の安定収入を確保しながら
- 無理のない範囲で経験を積む
という形なら、現実的かもしれません。
ただ、「アロマ一本で独立」はかなり厳しいですが、
看護師資格を活かしながら、働き方を変える選択肢はあります。
実際に、資格を活かして副業・在宅・独立寄りの働き方をしている人もいます。
▶︎「看護師の資格を活かす仕事9選|独立前に知っておきたい準備ポイント」
【まとめ】
かなり厳しいことを書きましたが、
アロマ自体を学ぶ価値がないわけではありません。
実際に役立った経験談としては、
- 子どもができたとき、家の消臭スプレーを作れた
- 雑貨屋で精油を選ぶ知識が身についた
- 自分の心理状態と向き合うきっかけになった
などがあります。
それに、自分や家族のセルフケアやストレス対策だけでなく、
産後ケア、ターミナルケアなど、看護師経験と相性が良い場面もあります。
「まずは趣味やセルフケアとして学びたい」
「副業レベルで小さく始めたい」
という人は、まず講座比較から見てみるのがおすすめです。
「好きだからこそ、仕事にする厳しさも知っておく」
これはすごく大事だと思い記事にしました。
