「今の職場を辞めたいけど、奨学金が残ってる…」
看護学生時代に病院の奨学金制度を利用して就職したものの、
数年経って別の職場に興味を持ったり、今の働き方に限界を感じている方も少なくありません。
特に“お礼奉公中”の転職には、「お金の問題」「契約上の不安」「周囲の目」など、
いくつもの壁がありますよね。
この記事では、奨学金の返済が残っている状態でも
「いまの状況を変えたい」看護師さんに向けて、
- 制度の基本と注意点
- 返済パターンと判断ポイント
- 実際の交渉やサポートの受け方
をわかりやすく解説します。
自分を責めすぎず、後悔のない選択をするために。
一歩踏み出すためのヒントを、ここにまとめました。
お礼奉公・奨学金制度ってどんな仕組み？
看護学生が利用できる奨学金制度には、「卒業後に特定の病院で一定期間働くことを条件に、
学費を負担してもらえる」という仕組みがあります。
この制度を利用して就職するパターンは、いわゆる「お礼奉公付きの奨学金」とも呼ばれます。
💡学費を出してもらう代わりに、勤務義務が発生する
病院側が看護学生に対して奨学金を貸与し、卒業後にその病院で○年働けば返済は免除という
仕組みになっています。
- 病院は人材を確保できる
- 学生は経済的な負担を減らせる
という点で、双方にメリットのある制度です。
💡でも途中で辞めたら…？
「規定の勤務年数に満たずに退職した場合、奨学金の残額は返済すること」
つまり、お礼奉公を途中で辞める＝返済義務が発生するということ。
勤務中に「この病院では続けられない」と感じても、辞めづらさを生む大きな要因になっています。
💡契約内容は病院によってさまざま
まずは、自分がどんな契約になっているのかを見直してみましょう。
確認すべきポイントはこの3つです：
- 何年間働けば返済免除になるのか？
- 途中退職の場合、返済額はどう計算されるか？
- 返済は一括？分割相談はできるか？
たとえば「3年勤務で免除」という契約でも、
「2年働けば残り1年分だけ返せばいい」という段階的免除の仕組みになっていることもあります。
お礼奉公中でも辞められる？辞めたらどうなる？
法律的には、お礼奉公中であっても退職することは可能です。ただし、ほとんどの病院では
「契約期間を満たさずに退職した場合、奨学金の残額を返済する」という条件が設けられています。
💡契約次第では返済額が減るケースも
まずは契約書を見直し、
- 免除の対象になる期間
- 残額の計算方法
- 返済の方法（分割可能か）
をチェックしましょう。
💡あと数ヶ月で満了なら、辞め時は慎重に
「あと3ヶ月我慢すれば免除なのに…」という場合は、数十万円単位で差が出ることも。
でも、心や体が限界に近いなら、お金以上に大切なものを守る選択も必要です。
💡返済が難しいときは？
・病院に分割返済の相談をしてみる。
・転職エージェントに事情を伝え、サポートを受ける
・労働局などの公的機関に相談する
「辞める＝即一括返済」ではなく、交渉の余地があるケースもあります。
📌困ったときは、公的な相談窓口も活用して
「奨学金の返済が不安」「辞めたいけど辞めさせてもらえない」など、
職場とのやり取りに悩んだときは、一人で抱え込まず、公的機関に相談するのも一つの手です。
🔸 労働基準監督署（総合労働相談コーナー）
退職や労働条件のトラブル全般に対応。匿名・無料で相談可能。
▶︎ https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
🔸 ナースセンター（看護協会）
看護師の就業サポートを行う公的窓口。地域によっては奨学金や転職相談にも対応。
▶︎ https://www.nurse-center.net/
🔸 消費生活センター（全国共通ダイヤル：188）
奨学金の契約内容に不安を感じたとき、中立的な立場からアドバイスを受けられる窓口。
必要に応じて、適切な相談先を紹介してくれる場合もあります。
転職時に気をつけたい「奨学金あり」の注意点
奨学金返済中の転職には、制度以外にも気をつけたいことがあります。
💡面接で話すべき？
無理に言う必要はありませんが、立て替え制度のある職場などでは事前に伝えることで
有利に働く場合も。
伝え方が不安な場合は、エージェント経由で伝えてもらうのも一つの手です。
💡エージェントには早めに相談を
- 条件に合う病院を探してもらえる
- 退職交渉や書類の準備もアドバイスしてもらえる
- 心理的にも「一人じゃない」と感じられる
早めに共有しておくことで、金銭面以外の条件も含めた提案がもらいやすくなります。
→転職活動を全面サポート！【レバウェル看護】
💡返済補助のある職場も選択肢に
求人票では分かりにくいけれど、奨学金返済の補助制度を持つ病院も存在します。
一定期間勤務で返済不要だったり、給与上乗せで返済サポートなど、
金銭面の支援も期待できます。
💡お金だけに気を取られないで
「今すぐ辞めたい」「返済の問題だけなんとかすれば…」という状態だと、
つい目の前のお金の話にだけ集中してしまいがち。
でも、ライフイベント（結婚・出産・育児など）を見据えて、
将来の働きやすさや制度の充実度もチェックしておかないと、
数年後にまた職場探しを繰り返すことにもなりかねません。
「数年後の自分が笑っていられるか？」という視点を忘れずに。
転職する・しないを決める前に考えたいこと
奨学金のことも、今の職場の悩みも、簡単に割り切れないからこそ、「本当に辞めるべきかどうか」を立ち止まって考える時間も大切です。
💡その不満、別の病院でも起きるかもしれない
今の職場への不満が、「忙しすぎる」「人間関係がつらい」「教育が合わない」などであっても、
転職先でも同じようなことが起こる可能性はゼロではありません。
だからこそ、「どんな働き方をしたいか」「何が譲れないか」自分なりの軸を持つことが大切です。
奨学金の問題をきっかけに、キャリアの棚卸しをしてみても良いかもしれません。
💡辞める＝無責任、ではない
「せっかく奨学金を出してもらったのに…」と、罪悪感を抱く看護師さんも多いです。
でも、体調や心の余裕がなくなってまで続けることが、果たして“責任”でしょうか？
辞める決断も、立派な選択。
そこに迷いや葛藤があること自体が、あなたの誠実さの証拠です。
💡自分にとって損しない選択を
金銭的な損得だけではなく、心と体、将来の可能性も含めた「自分にとっての損得」を
考えてみてください。
- お金の返済はなんとかなる可能性がある
- でも、体調を崩して働けなくなると元も子もない
どちらが「失うものが大きいか」を冷静に見つめて、後悔のない選択を。
辞める・続ける、どちらを選んでも「やっぱりこうすればよかった…」と後悔したくないですよね。
そんなときに、自分の気持ちと向き合うためのチェックリストを活用してみてください。
✅後悔しないためのチェックリスト
- 今の職場で心身ともに健康を保てているか？
- 奨学金の契約内容を把握できているか？（返済額・返済方法など）
- あと○ヶ月働いた場合と今辞めた場合、それぞれのメリット・デメリットを比較したか？
- 転職先に求める条件（働き方・人間関係・待遇など）は明確か？
- 周囲の期待や罪悪感より、自分の人生を優先できているか？
- 一人で悩まず、信頼できる相談先を持っているか？
“納得したうえで選んだ”と思える決断が、あとで自分を支えてくれます。
奨学金があっても、やり方次第で良い転職可能
奨学金が残っているからといって、転職をあきらめる必要はありません。
大切なのは、「契約内容を正しく把握しておくこと」、そして「自分にとってベストな判断をするための情報を集めること」。
✅ お礼奉公中でも退職は可能（ただし返済の有無を確認）
✅ 契約によっては返済額が減るパターンもある
✅ 転職エージェントや病院への相談も、早めが◎
✅ 返済補助のある職場を選ぶという選択肢もある
心と体がついていかない毎日を我慢し続けるより、あなたが笑顔で働ける環境を見つけることのほうがずっと価値があります。
悩んでいるあなたの背中を、ほんの少しでも押せたら嬉しいです。
💡奨学金のことも、職場の悩みも、「一人で全部なんとかしなきゃ」と思わなくて大丈夫。
今のあなたの状況に合わせて、返済の不安や働き方についても相談できる転職サービスがあるので
気になったときに一度、プロの意見を聞いてみるだけでも、視野が広がります。
看護師の転職におすすめはこちら▶️ 転職活動を全面サポート！【レバウェル看護】
